福祉施設の開業で土地活用をしたい…と考えたとき、やはり気になるのは建築費用ではないでしょうか。ここでは、福祉施設の建築にどれくらいの費用がかかるのかについて、目安となる情報をまとめてみました。
建築費とは建設会社における工事原価のことを指し、工事費は直接工事費・間接工事費の2つに大別されます。直接工事費とは、材料費・機械費・労務費といった施工に直接かかる費用のこと。
間接工事費とは、現場管理費・一般管理費・共通仮設費といった施工に間接的にかかる費用。これらを合わせたトータルの費用を把握しておく必要があります。
福祉施設の形態によって、坪単価は変わってきます。国土交通省が発表した2022年度の建築着工統計調査を見ると、福祉施設の建築費は鉄筋鉄骨コンクリート造で1坪あたり138.8万円、鉄筋コンクリート造で105.4万円、鉄骨造95.5万円、木造70.4万円となっており、木造がもっとも建築コストの安い構造とされています。
福祉施設開設の坪単価を抑えるためには、施設の構造を考慮する必要があります。上記でも示した通り、坪単価がもっとも低い構造は木造建築。トータルでの事業費を圧縮できる、融資におけるハードルが低くなる、工期短縮で人件費を減らせるといったメリットが多くなるため、検討してみると良いでしょう。
建築資材の価格高騰などにより、福祉施設の建築費は上昇傾向にあります。独立行政法人福祉医療機構の調べによると、福祉施設における1m2あたりの建築コストは2021年度で309千円(全国平均)。今後はさらに人件費も高くなる可能性があるため、全体のコスト削減を考えていくべきでしょう。
建築コストは、福祉施設の利用者が支払う月々の料金にも関与するため、できるだけ抑えることが重要です。ただし、コストだけに気を取られて施設自体の品質が下がっては意味がありません。コストにも品質にもこだわれる方法について、専門の建築会社に相談してみることをおすすめします。